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完敗 |
第39回九州サッカーリーグの第12節が7月3日に行われた。9位のMSU F.Cは小田爪運動公園多目的広場でのホームゲーム。ここ5試合で得た勝ち点がわずか2と足踏み状態が続いていただけに、勝利への意欲は高かったと思われる。しかし、相手は苦手の上位チーム、ヴォルカ鹿児島だった。 HOYO AC ELAN大分とFC KAGOSHIMA、ヴォルカ鹿児島、新日鐵大分――。これまで、MSUは上位クラスのチームに勝ったことがない。PK戦にすら持ち込めず、完敗するのが仕様になっている。ヴォルカとアウェーで戦った前半戦は、1-8でコテンパンにされた。今回も苦戦が容易に想像できた。 MSUに打撃となっているのが、7月から自動車業界で始まった輪番休業。ホンダロックに勤務する浅田と水永が、日曜の試合に来れなくなってしまった。もう、リーグ終了まで復帰できそうにない。ただでさえ選手をそろえるのに四苦八苦しているのに、これは痛い。 ただ、今回は前ホンダロックSCの倉石が参加。ボランチで先発した。経験のある選手の存在は大きな力になる。1週間前のトレーニングマッチ(vsロアッソ熊本)で得た守備面での手応えもある。 試合開始は13時。湿度が高く、ジッとしているだけでも汗が出るほどの蒸し暑さだった。
前半のMSUは3バック。7分に最初のシュートを放つ。12分、ヴォルカのFKが直接入った。しかし、線審がオフサイドの判定。助かったと思ったら、主審と線審が協議している。そして、「ピー!」と笛が鳴って、ゴールが認められた。 ここからは、ヴォルカが圧倒的なポゼッションでゲームをコントロールする。プレッシャーが無いからDFが自由にボールを持てているうえに、DFラインを高く保っている。MSUにとってはキツい。MSUは、ボールを持っても落ち着かせることができないから、拙い攻めでボールをすぐに失うか、中盤で奪われるかのどちらか。前線の選手が前を向いてボールを持つ機会がなかなか無い。それでも、相手のシュート数を抑えているから、失点は免れている。キーパーの好守と相手のシュートミスも大きかった。 状況を打開するために「速い選手が前に欲しいな」と思ったら、38分に俊足の藤本が投入された。ロスタイム、園田が相手の虚を突くミドルシュートを放つ。ボールがバーに当たらなければ、同点で折り返していた。 後半、MSUが4バックに変更する。選手も交代して、前線に高い選手を2人そろえる。これが功を奏したのか、前半よりは良くなったように見えた。しかし、それでもチャンスを作っているのはヴォルカのほう。16分、ヴォルカの小林が左からドリブルで切れ込み、バイタルエリアからシュート。これが決まり、2点目となった。ヴォルカは痛んだ選手が外に出ていて、1人少なくなっていたのに。 さらに、18分。MSUが左サイドでボールを奪われて、ドリブル突破からのグラウンダーを許す。これに正面で合わされて、3失点目。試合がほぼ決まった(MSUは決定機すら作れない)。連続して失点する悪癖につける薬は無いのか……。 ここからは、またも前半のような展開に。ただ、運動量が落ちて、守りがゆるくなっているのはヴォルカも同じ。MSUベンチからは「点取りに行こう」と声が飛ぶ。しかし、37分に左へのサイドチェンジから藤本がドリブル&クロスを上げて、正面から大羽が放ったのが後半唯一記録されたシュートだった。試合は0-3で終了。キーパーの守りがなければ、もっと取られていた。
予想していたとはいえ、結果にも内容にもガッカリさせられた。個人の技量やチームの完成度など、あらゆる面でヴォルカに劣っていた。MSUのKyuリーグにおけるストロングポイントって何だろうか? スピードや運動量に求めたいけど、なりえているとは思えない。ウィークポイントはたくさんあるのに。 今の実力を考えれば、今シーズンは残留できれば御の字だ。そのためにも、アウェーの海邦銀行SC戦で勝ち点をもぎ取り、ホームの川副クラブ戦で勝ち点3を取ることが必要。これは、今のチームでもできるはずだ。
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