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テゲバジャーロ宮崎のJFL昇格が正式決定 |
日本フットボール(JFL)の理事会が12月6日にあり、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2017で1位になったコバルトーレ女川と、2位のテゲバジャーロ宮崎のJFL入会が正式に決まった。宮城県と宮崎県、ともにJFLの企業チームがすでにあるなかでの、Jリーグ志向型クラブの参入となる。JFLからJ3に昇格するチームが今年はなかったため、ブリオベッカ浦安と栃木ウーヴァFCの関東1部リーグへの降格も決まった。 JFLに宮崎県のクラブチームが参戦するのは、2002年シーズンのプロフェソール宮崎以来となる。また、テゲバジャーロ宮崎の今回の昇格で、九州・沖縄の全県に“全国リーグで戦うクラブチーム”があることになった。 なお、宮崎市役所で行われたJFL参入の会見は、宮崎県内にあるテレビのローカルニュースで3局とも伝えられたそうだ。
さて、JFL昇格にあたって、九州リーグから変わることは何か? 自分は「全国リーグ」と「有料試合」の2点を挙げたい。この2点を考えれば、今回のJFL参入が手放しでは喜べないこと、そして運営面での充実が求められることがわかる。
まず、「全国リーグ」について。JFLは舞台が日本全国。北海道や沖縄に行くことは現在はないが、青森県には2回遠征することになる。それだけに、クラブにかかる費用面の負担等は大幅に上がることになる。 となれば、それなりの資金が必要だ。全国リーグに参加した過去のクラブの失敗(プロフェソール宮崎と宮崎シャイニングサンズ)は、資金不足が引き金になったと思われる。 テゲバジャーロ宮崎は公式HPで、「J3参入前年度の予算は1億5千万円が必要」と記しているが、果たしてそこに近づけるのか?
2つ目は「有料試合」。九州リーグはすべてが無料試合だったが、JFLは入場料が有料になる。つまり、クラブにとっては試合が“興行”、チケットが“商品”になり、ファンから売上を得る手段が増えることになる。売上は単純に「客単価×客数」で決まる。この「客数」に、自分は大きな不安を覚える。 はっきり言って、今シーズンのテゲバジャーロの集客力は低かった。「ファンがたくさんいる!」とは言いがたい。では、JFLに上がって観客が増えるのか? 注目度は上がるかもしれないが、入場料を支払うのをためらう人が出てくるかもしれない。 JFLだからお客さんがたくさん入る、というわけではないのは、ホンダロックSCの試合を観ればわかる。もしかしたら、ホンダロックSCの試合よりも入場者数が少なくなるかもしれない。しかも、サポーター集団がいないから、ホンダロックSCの試合よりも静かな会場になっているかもしれない。 興行としての試合についてはいろいろ気になることがあるのだが、今回の記事ではこれだけにとどめておく。
かつてのプロフェソール宮崎は、JFL参入が「終わりの始まり」になったと思う(詳しくは、レイさんのインタビュー記事を)。テゲバジャーロには、クラブにとって、宮崎県にとって、そしてクラブに関わるすべての人たちにとって「明るい未来の始まり」となるように、努めていただきたいと思う。 あと、もう一言。「観客数の水増し発表ダメ、絶対ダメ!」。シャイニングサンズの二の舞は御免ですぜ。
九州リーグにも触れておきたい。三菱重工長崎SCとF.C.那覇の自動降格は決まっていたが、テゲバジャーロ宮崎がJFLに昇格したことで入替戦が消滅し、佐賀LIXIL FCが残留することになった。 10チームのうちの残り2枠は、来年1月13日と14日に福岡県で開催される九州各県リーグ決勝大会で決まる(決勝進出の2チームが昇格)。結果次第では、宮崎県からの参戦が、J.FC MIYAZAKIともう1チームになるかもしれない。
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