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古賀稔彦さん |
1992年バルセロナオリンピックの柔道71kg級で金メダルを獲得した古賀稔彦さんが、3月24日に亡くなられた。享年53歳。 古賀さんの訃報をを目にしたとき、自分はただ、ただ驚いた。
自分にとって、古賀さんは「かっこいい柔道家」だった。バルセロナオリンピックでは、練習で負傷しながら金メダルを獲得。1990年の全日本柔道選手権では、無差別級の大会にも関わらず決勝まで進んだ(決勝で敗れた相手が小川直也)。 爽やかな出で立ち、清々しい立ち振舞、そして鮮やかな柔道に自分は魅了された。2004年のアテネオリンピック、女子の63kg級で谷本歩実が金メダルを決めた後に喜び合っていた姿も印象に残っている。
そんな古賀さんにお会いしたことが1回ある。 以前、某製薬会社が年に1回、スポーツ関係者を招いた講演会を宮崎県で開催していた。ゲストで来たことがあるのはプロ野球の古葉竹識さん、バレーボールの益子直美さんら。業界関係者でもない自分は、薬剤師の野辺くんに付いていつも参加していた。 古賀さんの講演がいつだったか、どのような内容だったか、はっきりとは憶えていない。憶えているのは、「柔道は4年に1回しか注目されないから」と苦笑いしながら語っていたこと、質疑応答で自分の前にいた人を指名したことぐらいだ。 野辺くんと古賀さんのことを話していたら、「古賀塾の教えみたいなことが印象に残っている」と口にした。気になって調べたのが「古賀塾の五訓」だ。古賀さんの公式サイトによると、稽古前に唱和しているらしい。
一、「はい」と言う素直な心 一、「ありがとうございます」と言う感謝の心 一、「私がします」と言う奉仕の心 一、「すみません」と言う反省の心 一、「おかげさま」と言う謙虚な心 人として生きていくうえで、何歳になっても心がけたい教えだ。とても心に沁みるし、この教えを実践していかなければいけないと思った。穏やかな笑顔で、丁寧な語りで講演してくださった古賀さんの姿が思い出される。 古賀稔彦さん、ありがとうございました。ご冥福をお祈り申し上げます。
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